中村です。
今年最後の風さんのバードウォッチングツアーは、私の地元というか元職場の葛西臨海公園・葛西海浜公園でした。もう18年通っている場所なので、ある程度鳥がでることは予想がついているものの、下見では目玉の鳥が見つからずもやもやしていました。
※以下、いつもより長めですがお読みいただければ幸いです。
まず駅前を出発して西なぎさへ。途中何かは見られるだろうと気楽に考えていたのですが、ほぼ何も見られないままなぎさ橋の入り口へ。橋の両側にもカンムリカイツブリもハジロカイツブリも見られず・・・。天気も良く、風もあまりなく鳥見にはよい条件なのですが、なんのヒットもないまま砂浜まで歩きます。不安です・・・。
干潮時間に合わせたので小さな干潟がでていますが、いるのはコサギ1羽。沖に並ぶ杭には期待のミサゴはおろか、ユリカモメさえもいません。めまいがしそうでしたが、干潟にシロチドリが現れ、後を追うようにハマシギの群れも降り、ようやくエンジンがかかります!その後は綺麗なセグロカモメが近くにとまり、遠目ながらチュウヒが東なぎさ上空を飛び続け、1羽残ったハマシギの脚に標識フラッグを見つけたり等々。杭の上に見つけたミサゴが飛び立ち、段々と近づいて頭上を通過するサービスも!帰り際には東なぎさにダイシャクシギ1羽、これも遠目ですが観察できました。
頭上を飛んだミサゴ ツアー中はSX70しか持っていないのですが、飛びものは慣れません・・・
フラッグつきのハマシギ これもお客様が見つけてくださいました。山階のサイトで確認すると東京湾で付けられた個体のようです
続いては公園西側へ。時間の短い観察会などでは、なぎさが終われば鳥類園に向かうのですが、今回のツアーは5時間半の特別コース!私の知る限りのポイントを隅から隅まで歩く予定を組みました。
小鳥類は水鳥に比べて読めないところがあるのですが、今回は良い具合に続いてくれました。BBQ場のシロハラに始まり、最後日本庭園に戻ってくるまでの間に、メジロ・シジュウカラ → モズ → ビンズイ → ジョウビタキ♂ → ヤマガラ → ジョウビタキ♂と続き、最後は上空にお客さまが見つけたオオタカの成鳥の姿が!特別珍しい鳥はいませんでしたが、どれも観察しやすく自分でも楽しんでしまいました。
西端の「ビンズイポイント」に2羽いました!下見の時にはいなかったので自分でも驚きです(笑)
日本庭園上空を飛んだオオタカ成鳥 とてもきれいな個体で青空に映えていました
昼食後はいよいよ最後のポイント鳥類園!と言っても既にだいぶ鳥は見られたので、講師としてのプレッシャーからは解放されつつありました(笑)。あとはタシギとアオアシシギ、ノスリ、カワセミあたりを探そうかと思っていましたが、ここで奇跡が起こります!上の池の通称「くいな池」、スルーしようか迷いながら向かうと、タイミングよくヒクイナの姿が!!!短い時間でしたが、近くで観察できました。そしてその10分ほど後、ホシハジロのまったくいない寂しい上の池を見ていると、池の中心付近から小さく「キイキイキイキイ・・・」。少し前に海側からも聞こえていたアリスイらしき声です。見つけるのはほぼ無理と思いながら葉の落ちた低い落葉樹を探すと、濃い茶色めの鳥がとまっています!!!!!こちらもかなり距離があったのですが、望遠鏡2台でなんとか皆さんに観察していただきました(保護色で分かりずらかったと思いますが)。もうこんなツアーは2度とない、というくらいの幸運が続いてしまいました!!!
かなり見づらいですがアリスイの証拠写真です 分かりますか?
あとは無事に、予定通りのタシギ、カワセミ、ノスリ、アオジと見ていき(アオアシシギが見られなかったのはご愛敬)公園の東端で終了となりました。観察できたのは、声のみの種を含め47種!ですが、種数よりもヒクイナ&アリスイが見られたのがもう奇跡です。今後も葛西ではツアーを実施すると思いますが、こんな回は2度とないと思います(笑)。
ご参加くださった皆さん、お疲れさまでした。そしてご協力いただきありがとうございました。
今後のコロナの感染状況が気になりますが、来年こそはいろいろなツアーができる年になると良いなあ・・・(忠)